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検査ID 15300 通常あるはずの伝票がない


検査内容等

[1091 徴収不能引当金]について、本年度の伝票がありませんが、よろしいですか?

対処方法

前年度末に計上した[1091 徴収不能引当金]は、当年度の決算において精算するのが一般的です。

すなわち、貸借対照表における現在の金額を[35101 徴収不能引当金繰入](貸方=マイナス処理)で戻し、当年度末は新たに必要額を[35101 徴収不能引当金繰入](借方)で計上します。

【仕訳例】
借     方 貸     方 摘   要
1091 徴収不能引当金 120,000 35101 徴収不能引当金繰入 120,000 前年度計上の戻し
35101 徴収不能引当金繰入 150,000 1091 徴収不能引当金 150,000 事業未収金に対して引き当てる


戻しも計上も同じ科目[35101 徴収不能引当金繰入]を使うことによって、純額で表示される差額法を採用したことと同じになります。

引き当てる必要額が貸借対照表の現在の残高と同額のケースは仕訳を省略することができます。
当年度計上額が多ければ、[35101 徴収不能引当金繰入]はプラスになりますが、逆に少ない場合はマイナスになってしまいます。マイナスの場合は、その金額を[29910 徴収不能引当金戻入益]に振り替えてください。

【仕訳例】
借     方 貸     方 摘   要
35101 徴収不能引当金繰入 20,000 29910 徴収不能引当金戻入益 20,000

操作方法


その他の参考情報

[1091 徴収不能引当金]は、資金ではありません。従って、[支払資金残高=(流動資産−流動負債)]を計算する場合、その流動資産からは除くことになります。

会計基準注解の(注2)の重要性の原則の適用例(3)に記載の通り重要性が乏しい場合には計上しないことができます。

Q4.1.7 引当金について