ホーム >社会福祉法人の会計基準HPセミナー > 総論編第4回

社会福祉法人の会計基準 HPセミナー 総論編 第4回

公認会計士 井上龍哉

今回と次回は、公益法人会計基準を参考に導入予定の新しい会計手法について説明します。

目新しい会計手法が多いので、私なりに実務における出現頻度と難易度を ★〜★★★ で表しました。
出現頻度の高いものや、難しいものほど★の数が多くなっています。ご参考までに。

● ワン・イヤー・ルール

出現頻度 ★★★   難易度 ★

【内容】

固定資産(貸付金等)、固定負債(借入金等)の債権債務で決算日から1年以内に入金または支払が予定されているものは、決算において流動資産、流動負債に振替えるというものです。
従来からある考え方ですし難しくはありませんが、「会計基準」では勘定科目が増えたので手間がかかります。

● 金融商品の時価会計

出現頻度 ★     難易度 ★★

有価証券を保有している場合に、一定のものは時価評価しなければならないという会計手法です。
社会福祉法人の場合、あまり有価証券を保有していないと思いますから、出現頻度は低いです。(特に下記A)

【内容】

以下の有価証券を保有している場合、決算において一定の評価替え処理を行います。

@ 満期保有目的の有価証券(公社債)について、償却原価法を採用すること。

償却原価法とは、取得価額と償還金額(額面)の差額を、取得から満期までの期間に配分する計算方法です。
各年度に配分される額は、受取利息で処理します。安く買っているケースではプラスの利息になりますが、高く買っているケースでは逆にマイナスの利息になります。
イメージとしては、残存価額が額面の定額法の減価償却みたいなものでしょうか。
理論的には、時価に近づく結果になります。

A 市場価格がある有価証券について、決算では時価評価すること。

いつでも処分できるものは、期末時点の価値で評価するべきとの考え方です。
評価益も評価損も想定されていますが、評価益については望ましくないと考えています。(私見)

●リース会計

出現頻度 ★★    難易度 ★★★

リース取引をしている法人は多く、内容も複雑です。いろいろな条件がありますが、該当した場合、やっかいな問題になるかもしれません。
しかし、大半の場合は従来通りの賃借料処理が可能となりそうですから、あまり心配しなくてもよいでしょう。

【内容】

リース取引について、今まで支払額を賃借料で処理していました。

しかし、リース物件を耐用年数の間ずっとリースしているとか、他に転用できない資産など実質的に購入し代金を分割払いしていると変わりないケースがあります。

このようなケースでは、売買で取得したと同じように、固定資産としてリース資産を計上し毎年度減価償却を行い、リース料については将来の分までリース債務として一括して負債に計上することになりました。これが、リース会計です。

さらに内容によって、様々な処理方法が定められていますが、簡便法もありますので、できる限り適用したほうがよいでしょう。
詳細な内容については、ここでは省略しますが、別の機会を設けて紹介させていただく予定です。


次回も引き続いて、導入予定の新しい会計手法について説明します。